先日、加速矯正のセミナーをオンラインで受講しました。

加速矯正処置には、現在、主に2つの方法があります。
まず一つ目は、外科的加速矯正処置です。

外科的加速矯正処置は、1983年にFrostが、Regional Acceleratory Phenomenon という概念で、外科的侵襲を加えた骨組織において、脱カルシウム化と代謝活性が向上する可能性を報告しました。

2011年の米国矯正歯科学会では、コネチカット大学のUribe教授から、Systemic Acceleratory Phenomenonという、現在行われているサージェリーファースト法の根拠となる報告が行われました。

これらの理論を矯正治療に応用したWilcko 兄弟は、外科処置後の海面骨ミネラルの一時的な減少により、歯の移動速度が早まることが2013年に報告しました。

2019年には東北大学の阿部先生のグループが、顎外科後にヒトから静脈血を採取し、骨代謝マーカーを見て、骨代謝の活性化を証明した報告が、Nature ReseachのScientific reportsに掲載されました。

上記のように、外科的矯正治療は、科学的根拠の通りに正確に治療を行えば、矯正治療の期間の短縮が見込めます

さらに、2011年にRenkema AMらによって、成人矯正治療が歯肉退縮の一因となる可能性が報告されていますが、2017年にGeorge Aらの研究グループでは、矯正治療を始める前にCT撮影を行い、歯肉退縮の予想される部位に対して対策を施すことが推奨されました。

外科的加速矯正のメリットは、矯正治療の期間を約1/2の短縮すると同時に、骨移植や歯肉移植を併用することで、成人矯正の懸念点である歯肉退縮の可能性を減少も見込めることです。

しかしながら、デメリットとして、矯正治療期間を短縮するために外科処置を行うことは避けられないません。そこで、当院では、非侵襲的な装置で骨代謝を改善し、治療期間を短縮することも可能になりました。それが、加速矯正装置です。

光加速矯正装置オーソパルス

通常の矯正と比較して1/2の期間で終了する

加速矯正装置には、Orthopulse(オーソパルス), PBM Healing, Vpro5など様々なフォトバイオモジュレーションやバイブレーションを応用した加速矯正装置がありますが、フォトバイオモジュレーションを利用した唯一のFDA認可を得ているシステムが、当院でも採用しているOrthopulseのみです。

Orthopulseの特徴は、治療期間が54%短縮される、矯正治療中の痛みが73%軽減される、成人矯正の懸念点とされる歯根吸収には影響が無い、などが挙げられます。
Orthopulseは、85年以上に渡る研究と6000件以上のフォトバイオモジュレーションの研究実績によって治療のバックボーンと安全性に加え、確かな効果が確立されています。

Orthopulseの歯の移動が早くなるメカニズムとして、850nmの近赤外線を歯周組織に1日約10分間当てることで、ATP増加、ROSの調整、NO放出を誘導して、治癒過程の促進、転写因子活性化、血流の増加が達成されることで、これらが、破骨細胞と骨芽細胞の代謝活性、すなわち歯根周囲の骨のリモデリングを促進し、歯の移動を早くすることが科学的に解明されています


当院においても、外科的加速矯正、光加速矯正も同様に一定以上の効果を上げており、どちらの処置を選んでも通常の矯正治療と比較して1/2のスピードで矯正治療が完了します。

ただし、ご自身に、適切な加速矯正処置を選択しなければ、歯肉退縮などの思いがけないデメリットに遭遇する危険性があるため、ご自身で加速矯正処置をできるかできないかを判断することは非常に危険です。

加速矯正処置は、歯の生え方や歯周組織、骨格に適して正しく行えば、通常2〜3年かかるような重度な歯列不正の状態でも1年〜1.5年、軽度な方は6ヶ月で矯正治療を終了することが可能です。マスピース矯正や舌側矯正など、使用する矯正装置に適した加速矯正処置もあるため、忙しくて通う暇がない、可能な限り早く矯正治療を終わらせたい、術後の歯肉退縮のリスクを減らしたいなど、歯も白くしながら矯正治療を進めたいなど、患者様の状況とご要望に応じたカウンセリング行っております。

福岡・天神で、加速矯正治療にご興味がございましたら、山道歯科医院までご相談のほどお待ちしております。

歯周・矯正・加速矯正治療担当:副院長 山道 研介