マスク着用で口臭が気になる方が増えています
こんにちは、山道歯科医院です。
気温もグッと暖かくなり、過ごしやすい季節がやってきましたね。
皆さんいかがお過ごしでしょうか。
さて、コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言が解除され、2週間が経とうとしています。
緊急事態宣言中に比べ、仕事が再開になったり、外出される時間が増えた方もいらっしゃるでしょう。
そして、外出時にはマスクを装着することが習慣になっているかと思います。

マスクをつけた時、
『あれ?口が臭う気がする…。』
と、感じることはありませんでしたか?
マスクをつける前には口臭なんて気にならなかったのに、つけると少し臭うような気がする…
口臭は自分自身では自覚することがなかなか難しいため、マスクをする機会が多くなったことによって、口臭があることを自覚される方が増えているようです。
口臭の原因
では、なぜ「口臭」が発生するのでしょうか?
口臭の発生源になっているのは、主に以下の2つです。
- 消化器(食道・胃など)
- 口腔内(歯・歯肉・舌など)
では、それぞれの具体的な原因や症状を見ていきましょう。
消化器からの口臭
消化器に起因する口臭の原因として挙げられるのは、以下の2つです。
- 前日や当日に摂取した食物・飲料
- 消化器系の異常
前者は摂取したものが消化・排泄されれば消失する口臭です。
大切な用事の前日に食べるものを意識すれば、解決できます。
一方、消化器系の異常に起因する口臭の場合、注意が必要です。
頻度の高い疾患としては、逆流性食道炎、胃炎(ピロリ菌の場合は特に早期の治療をおすすめします)などが挙げられます。
以下のチェックリストに自覚されている症状があれば、内科・胃腸科などにご相談をおすすめします。
- ゲップがよくでる
- 胸焼けがする
- 胃のあたりに不快感がある、吐き気
- 口の中や喉の奥が酸っぱくなる
- ものを飲み込む時つっかえることが多い
- お腹の張りが頻繁にある
- 食べた後に気持ち悪くなることがある
- 食事の途中で満腹になってしまう
- 喉の違和感がある
- 前屈みになると胸焼けがする
*参考サイト:FSSGスケール問診
口腔内からの口臭
口腔内に起因する口臭の原因として挙げられるのは、以下の3つです。
- 歯垢や舌苔などの汚れ
- 歯周病
- むし歯
歯垢や舌苔はオーラルケアがうまく行き届かず、歯や歯肉、舌に汚れが沈着している状態です。
歯周病は歯磨きで取り除けなかった歯垢が時間をかけて唾液中のカルシウム成分と結びつき、硬く石のようになってしまった「歯石」が足掛かりとなって進行していきます。
少しずつ歯を支えている骨を溶かしながら、自覚症状なく進行し、気づいた時には歯がグラグラして抜け落ちるとても身近で怖い疾患です。
日本歯科医師会のウェブサイトでも詳しく紹介されていますので、ぜひご覧ください。→ https://www.jda.or.jp/park/trouble/index_02.html
むし歯もまたオーラルケアが行き届いていないことで起こりやすくなります。
臭いの原因は「揮発性成分」
臭いの元となる成分には揮発成分がおおく、息と一緒に口の外に臭いとなって出ていきます。
メチルメルカプタン | 腐ったタマネギのような臭いがします。歯周病の方のお口の中を測定器で測ると1番高い数値を示します。臭いはとても強いです |
硫化水素 | 卵の腐ったような臭いがします。歯垢や舌の汚れなどで増える事が多いので、口腔清掃が不足している場合に発生します |
ジメチルサルファイド | 生ゴミや磯のような臭いがします。歯周病の口臭の原因にもなりますが、消化器などの全身疾患による口臭などの原因にもなるので、口腔内で異常がない場合には全身疾患を疑います |
口臭は根本から解決することが大切
消化器系の異常の場合、早期に胃腸科や内科などを受診して、相談しましょう。
胃カメラ検査などで原因を調べ治療してもらうことで、口臭も改善することが多々あります。
消化器系の異常がない場合、口腔内に原因がある可能性が非常に高くなります。
歯周病は罹患患者が最も多い疾患として、ギネスブックに記載されるほど広く蔓延している歯科疾患です。
そこから考えると、口臭の多くに歯周病が関連していると考えられます。
「自分はインプラントだから関係ない」
と思われる方もいらっしゃるのですが、インプラントも歯周病と同じような症状に陥る場合があります。
それが、インプラント周囲炎です。
自分には関係ないという先入観で早期発見を妨げないようにしましょう。
歯周病と言われると生命に直結しないという認識をされる方が多いのですが、重度の歯周病は様々な全身的な疾患に関連します。
歯を抜く、大掛かりな治療が必要になる前に治療することが、全身の健康にも大きく貢献します。
口臭が気になる方はぜひ歯科医院に足を運び、根本的な原因から解決することをお勧めします。