新型コロナウイルスの世界的な感染拡大から半年以上が経過しました。

日本では一時期、感染者数が収束傾向にありましたが、再び感染者数が増加しています。検査数などの影響もあり、一概に感染が急拡大しているとは言い切れませんが、やはり予断を許さぬ状況であることには変わりありません。

歯科治療に関しても延期して良いのか、どのような症状なら早く受診すべきなのか、などお問い合わせいただく機会が増えています。
よくお問い合わせいただく内容についてまとめましたので、ご参照ください。

  1. 歯科医院での感染リスク
  2. 定期検診はどのくらい延期しても良いのか?
  3. インプラントメンテナンスは延期しても良い?
  4. 矯正治療はどのくらいのペースで受診すれば良い?
  5. インプラントの手術は延期すべき?
  6. どのような症状は早急な受診が必要?

歯科医院での感染リスク

歯科医院で感染の可能性がある状況は以下の通りです。

歯科医院は観血処置が多く、またエアロゾルも発生しやすいため、感染症のリスクが従来より高い場所です。

では、なぜ歯科医院での院内感染のニュースをほとんど聞かないのでしょうか。
歯科医療機関で働く医療スタッフは、歯石を取ったり、虫歯を削ったり親知らずを抜いたりするという日常業務上の特性から、新型コロナウイルスが流行しようとしまいと唾液や血液などの感染性飛沫暴露する機会が存在します。

新型コロナウイルスが流行する以前から院内感染対策を徹底しているのが歯科医療機関として当然のことで、今回の新型コロナウイルスもこれらの感染症と同様に対策を徹底している歯科医院が大半なのです。
保険歯科医療機関において院内環境を整備しているかどうかチェックする事ができる一つの目安として、厚生労働省に歯科外来環境管理加算の届出を行っていることが挙げられます。
*山道歯科医院では歯科外来環境管理加算の届出を行っています。

本年4月頃、歯科医院でクラスターが発生したというニュースがありましたが、医療スタッフ同士のバックヤードでの感染であり、患者さまには感染していませんでした。
スタッフルームでの昼食の際にはマスクを外さざるを得ないので、4月のクラスターもこのような機会に感染したことが考えられます。また、感染経路を考えると、昼食にパンやサンドイッチなどの手で直接を触るものを食べると、いくら手洗いをしていても、食べ物を食べる前には椅子や机や包み紙を触るので、そこから接触感染が起きる事が考えられます。

山道歯科医院ではこのようなスタッフへの接触感染リスクを限りなく減らすため、当ビル3階に医療実施現場とは分離したスタッフルームを完備し、ドアノブや手の触れるものを扱った後には全てアルコール消毒ができる様に全スタッフに携帯用アルコールを渡して適宜使用する様に指導を行っております。

とはいえ、コロナに限らず、インフルエンザや風邪を含む一般的な感染症対策の考え方として、あらゆる場所での「混雑」や「接触」という現象は感染リスクを上昇させます。

以下では、通院を延期しても良い場合、早急に受診すべき場合について、簡単にご説明します。

コロナ禍での歯科受診について

定期検診はどのくらい延期しても良いのか?

通常、歯科の定期検診は以下のペースで受診していただきます。

  • 歯周病/虫歯リスクが低い場合:1年以内
  • 歯周病/虫歯リスクが中等度の場合:半年程度
  • 歯周病/虫歯リスクが高い場合:3〜4ヶ月

定期検診については、数ヶ月の延期は問題ありません。
もちろん、定期検診予定でも口腔内状態によっては治療が必要な場合はありますので、気になる症状(痛い、しみる、歯がグラグラしている など)があれば必ず歯科医師に確認してください。当院では歯周病/虫歯リスクの診断は口腔内検査・唾液検査・レントゲン診査により総合的に行い、高リスクか低リスクか診断しています。

インプラントメンテナンスは延期しても良い?

インプラントをされた方は天然歯と同様に、定期的なメンテナンスが必要です。
インプラントの上部構造(人工歯の部分)はセメントで人工歯をインプラントと固定するセメント固定式と、上部構造をネジで外せるスクリュー固定式の選択ができますが、スクリュー固定式の場合、上部構造を外してインプラント周囲組織の隅々まで清掃する事が可能です。セメント固定式の上部構造の場合、上部構造を外すことはできないので、専用の超音波器具で清掃します。
また、メンテナンスの際にはX線写真を撮影し、周囲の骨の状態も確認します。

メンテナンスのペースは6ヶ月に1回程度を推奨していますが、違和感や不快感などの自覚症状が無い場合の3ヶ月程度の延期であれば、大きな影響はありません。メインテナンスの延期を希望される場合は、自己判断せず、歯科医師にご相談ください。

矯正治療はどのくらいのペースで受診すれば良い?

本来2週間〜1ヶ月に1回の頻度で受診していただくことが多い矯正治療ですが、新型コロナウイルス影響下では治療ステージや内容に応じて、ご予約をお取りいただいています。
来院ペースを落とすことは治療の進行速度に多少の差はでますが可能です。しかし、お口の中の清掃状況が把握出来ないため、通院頻度は虫歯や歯周病の発症リスクを亢進することに繋がります。コロナ禍における貴重な御来院時間では、さらに丁寧なブラッシング指導が必要になります。
当院では、歯周病の患者様を1人でも多く救うため、日本歯周病学会認定歯科医師が矯正治療、歯周疾患のコントロールを行います。
ただし、患者さまによって治療の進行速度は異なるため、必ず歯科医師にご相談の上、指示通りのご予約をお取りください。

インプラント治療の手術は延期すべき?

インプラント治療の手術は感染対策を特に厳重に行なった手術室で実施します。また、今年5月に奈良医科大学がオゾンが新型コロナウイルスを不活化することを世界初で確認するという研究結果を報告しました。当院では奈良医科大学が行った新型コロナウイルスを不活化する実験条件に近似する濃度をもつ、医療用オゾン発生器を導入し、インプラント手術の前日の夜間には使用する器具・機材を準備した状態で、手術室全体を8時間オゾン殺菌しています。オゾンは高濃度では虫やネズミなどの小動物も寄ってこないほど非常に強い毒性を持つため、毎日診療後オフィスを出る時にオゾンをくん蒸しています。オゾン殺菌により、アルコール消毒が出来ない隅々まで殺菌、コロナウイルスを不活化するため、感染リスクは非常に低くより安心できる環境で施術を受けていただくことができます。

それでもやはり心配という方、ご自宅から歯科医院までが遠方で移動が心配という方もいらっしゃるかと思います。

インプラント手術自体は多少の延期は問題ありませんが、手術に備えて器具や材料の準備がありますので、1週間前までには必ずご連絡ください。
また、手術を延期すればその後の治療も先送りとなりますので、治療期間が延びることは何卒ご了承ください。

どのような症状は早急な受診が必要?

以下に早急な受診をおすすめする症状と原因、治療について簡単にまとめました。
基本的には「痛み」や「腫れ」と行った急性症状がある場合には、早急な受診をおすすめします。

ここに記載されていない症状でも気になる場合、心配な場合は歯科医院まで問い合わせると良いでしょう。
早急に受診すれば残せるはずだった歯や歯の神経も長期間放置することにより悪化して、難治性に移行したり、歯や歯の神経を抜かないといけなくなったりする可能性があります。

心配なこと、不安なことは必ず歯科医院に確認をお願いします

急性症状(痛みや腫れ)がある場合は患者さまも症状を自覚しやすく、早急な受診が必要だと判断いただける場合が多いかと思います。
しかし、急性症状がない場合でも早急に受診すべき状態になっている可能性がありますので、気になる場合や心配な場合は必ずかかりつけの歯科医院に電話でご相談ください。