親知らずを抜く?抜かない?
「親知らずがありますね」
歯科医院で指摘されたことがある方も多いと思います。
こんな時、「抜いた方がいい?それとも、抜かなくてもいい?」と疑問に思う方が大半ではないでしょうか。
実は親知らずを抜くべきか、抜かなくてもよいかは状況によって変わってきます。
あなたの親知らずはどのタイプ?
ご自身の親知らずの状況に応じて、抜歯すべきかどうか確認していきましょう。
① 自覚症状は?


② 親知らずは生えている?埋まっている?



③ 全体的な歯並びは?



親知らずの生えてくる時期・抜歯の時期
親知らずは個人差はありますが、16〜22歳ほどで生えてきます。
10歳前後で歯の元になる歯胚(しはい)が確認できるようになるので、生まれつき親知らずがあるかないかは中学生の頃にはX線検査で確認できるようになります。

埋まっている場合もX線検査を行うと確認できるので、目視で生えていないからと言って放置せず、定期検診の際などに歯科医院で確認してもらいましょう。
親知らずの抜歯時期ですが、18〜20歳頃はまだ歯根が完成しておらず、骨としっかりとくっついていないので、比較的痛みや腫れも少なく抜歯することが可能です。
大人の場合も痛みや腫れを繰り返していると、歯根が骨に癒着して抜歯が大変になる場合があるので、症状が出る前に抜歯することで痛みを抑えることができます。
また、当院でも親知らずの生え方の状態に応じて、PRFを使用した抜歯をおすすめしています。PRFは厚生労働省認可の第三種再生医療に分類されている、自己血由来再生療法薬剤です。PRFを使用した親知らず抜歯は術後疼痛や腫れを抑えるという文献が多数報告されています。
親知らずの抜歯の流れ
親知らずを抜歯する際は、局所麻酔下で行う場合が多く、日帰りの処置が大半です。
処置時間は難易度に応じて異なりますが、
・生えている場合:15〜30分程度
・少し見えている場合、埋まっている場合:30分〜1時間程度です。
神経や上顎洞との位置関係によっては1時間以上かかる場合もあります。
事前に歯科医師に確認しましょう。
以下は当院で親知らず抜歯を行っている動画です。
*血液が苦手な方はご注意ください。
動画内のPRF(自己血から分離したフィブリンや成長因子のジェル)を応用した治療は保険適応外治療です。
また、骨削除を行う場合にピエゾエレクトリックサージェリー(超音波の機械)を使用すると、歯茎や頬などの軟組織を巻き込まないので、術後の腫れや痛みが減少するメリットがあります。
気になる場合は早めに相談しましょう
ご自身のお口の状況を把握することは大変重要なことです。
親知らずが埋まっている場合は3DCTによるX線検査を行い、位置関係を3次元的に確認することで、安全に抜歯を行うことができます。
定期検査の際は親知らずに限らず、気になること、心配なことは歯科医師・歯科衛生士に確認してください。