2020.06.15
【CASE】歯の破折により抜歯後、インプラント治療を行った患者さま
治療概要
- 患者様
- 74歳 男性
- 診察結果
- 右上第一小臼歯の歯根破折
- 治療内容
- 抜歯・ソケットプリザベーション、インプラントによる補綴
- 治療完了日と治療期間
- 2018年10月21日(9ヶ月)
- 総治療費
- 64.8万円(税込)
- 治療後のメンテナンス
- 半年に1回程度、かみ合わせや衛生状態のチェック。
- その他
- 歯周病専用歯ブラシと歯磨き粉による日常ケアを指導。
患者様の相談内容
以前より当院に歯周病やむし歯の治療で定期的に通院いただいていた患者様ですが、「右上の歯が数日前から少し痛む」との主訴で来院されました。食事の後から痛みを自覚されたとのことでした。
- 歯科検診は半年に1回程度通院されていた
- 数日前の夕食後から急に右上の歯が少し痛むようになった
山道歯科の診断
痛みのある右上の第一小臼歯は歯の頭から根にかけて、完全に割れていました。
このようなタイプの歯根破折は基本的に治療法がないため、抜歯となります。

抜歯後は入れ歯やブリッジではなく、固定性のインプラントを希望されていたため、抜歯と同時に骨が溶けないような処置(ソケットプリザベーション)を行い、数ヶ月骨の治癒をまってインプラント治療を行う方針となりました。


- 歯根破折は基本的に抜歯適応となる
- インプラントを希望される場合、抜歯の時から骨の準備を行うのが望ましい
- 抜歯後の治療選択肢は「インプラント」「可撤性義歯(取り外し式の入れ歯)」「ブリッジ」
治療の流れ
まずは割れてしまっている歯を抜歯し、骨が溶けてしまわないように処置を行いました。
抜歯から4ヶ月後、骨が回復していることをCTで確認し、インプラント手術を実施しました。抜歯からインプラント手術までの間は、1ヶ月に1度程度の通院で、経過観察や口腔清掃などを行います。

インプラント手術後は2週間程度で抜糸、その後は1ヶ月に1度程度の通院で経過観察・口腔清掃を行いました。術後も順調に経過したため、手術から5ヶ月後にはインプラントの上に人工の歯(上部構造)を装着することができました。



上部構造(最終的なインプラントの被せ物)はスクリュー固定式を選択しました。

- 歯根破折した右上第一小臼歯の抜歯・ソケットプリザベーション
- 抜歯から3ヶ月後:インプラント一次手術(埋入)
- 一次手術から5ヶ月後:インプラント二次手術
- 上部構造作製・装着
治療期間終了後
半年に一度程度の通院でメンテナンスを行っており、 かみ合わせや衛生状態のチェックを定期的に行っています。当院ではほとんどの場合、ネジで固定するタイプの上部構造を採用しているため、外して隅々までメンテナンスすることができます。
また、インプラントをより長持ちさせるために、日常のケアでは歯周病専用の歯ブラシと歯磨き粉を用いてしっかりとした歯磨きを行うように指導しています。
患者様は自分の歯で食べ物を味わうことができ、しっかり食事ができることで喜んでいただくことができました。
インプラント治療及び骨造成治療は外科処置を伴いますので、術後に腫れたり、痛みを伴うことがあります。個人差もありますが通常1週間程度、腫れや痛みが持続します。部位により腫れやすい部位や痛みやすい部位がありますので、詳しくは治療計画説明の時にお伝えいたします。
上記説明は例を挙げての治療の説明であり、個々の患者様の状態等により治療の費用、方法や結果が異なります。治療の方針や治療費、治療等の主なリスクや副作用等に関しては治療開始前にご説明しますので、まずは当院まで治療の相談を予約して下さい。