2020.09.16
【CASE】非抜歯矯正治療(乱杭歯)
治療概要
- 患者様
- 48歳 女性
- 診察結果
- 親知らず放置による歯列の乱れと噛み合わせ不良
- 治療内容
- 親知らず抜歯、歯周病治療、歯列矯正治療
- 治療完了日と治療期間
- 2020年2月11日(1年2ヶ月)
- 総治療費
- 約65万円(税込)
- 治療後のメンテナンス
- 3ヶ月に1回の通院によるかみ合わせや歯周病の進行状態のチェック。
- その他
- 歯ブラシとデンタルフロスによる歯周病ケアを指導。
患者様の相談内容
「ものが噛みづらい、歯周病が気になる、親知らずが気になる」というご相談で来院されました。歯石とりなどの歯周病治療を継続的に行っておられましたが、重度の歯列不正が歯周病を悪化させるリスクがあるため、歯周病を予防する事、噛み合わせを改善する事を目的として矯正治療を行うことになりました。
- 歯周病治療と小臼歯非抜歯での矯正治療を希望
- 他院で非抜歯矯正はできないと言われた
- 健康な歯は抜きたくない
- 歯茎の出血と腫れ、鈍痛がある
山道歯科の診断
鈍痛のある親知らず周囲の歯はレントゲン撮影と歯周基本検査の結果、智歯周囲炎という状態でした。歯茎は赤く腫れ、手前の歯にも智歯周囲炎による悪影響を及ぼす可能性がありました。
3DCTセファロによる精査で歯列矯正治療は可能と判断しましたが、顎骨に歯を並べるスペースが足りなかったため、矯正治療に先行して親知らず抜歯と歯周病治療を並行して行いました。
- 歯周病と矯正治療が必要な状態
- 親知らずを抜く事で小臼歯抜歯をせずに歯科矯正治療できる事が多い(89%)
- 他院では小臼歯抜歯が必要と診断
- 当院ではゴムメタル矯正が可能なため非抜歯矯正と診断
治療の流れ
まずは親知らずの抜歯を行いました。親知らずの抜歯にはPRFを用いることで痛みも少なく治療に対して協力的になられ、歯周病の状態が改善されたのち、歯列矯正装置を装着しました。
矯正治療中の痛みもほとんど出ず、ゴム掛けや定期的な通院などの患者様のご協力の甲斐合って、順調に治療が進み矯正治療開始から14ヶ月で矯正装置を外すことができました。
- 1本ずつ上下左右の親知らずをPRPを使用して抜歯
- 歯周病治療
- 歯列矯正装置(ワイヤー)装着
- 噛み合わせ調整
- 矯正装置撤去・保定
治療期間終了後
1ヶ月に一度の通院でメンテナンスを行っており、 かみ合わせや衛生状態のチェックを定期的に行っています。元々歯周病を発症している患者さまは、歯周病が再び進行する可能性があるため、定期的なケアは欠かせません。
日常のケアでは歯周病専用歯ブラシを用いて歯周ポケットにブラシが届くような歯磨きを行うように指導しています。また、必要に応じて歯間ブラシを使用すると、歯周病予防に効果的です。歯周病予防に関しては、日本歯周病学会認定医が指導を行っております。
患者様は歯列不正が改善される事で歯も磨きやすく、ご自分の歯で食べ物を味わうことができ、自信を持って笑う事ができて喜んでいただくことができました。
歯科矯正治療は矯正装置装着後、個人差がありますがある一定の期間痛みを伴いますので、食事がとりにくかったり、物が噛みづらい、発音しづらいなどの不快感を伴う場合があります。口の中が狭い人、広い人で痛みの度合いが変わります。また、矯正治療は定期的な通院などの患者様のご協力が必要です。矯正装置の種類によりメリットデメリットがありますので、詳しくは治療計画説明の時にお伝えいたします。
上記説明は例を挙げての治療の説明であり、個々の患者様の状態等により治療の費用、方法や結果が異なります。治療の方針や治療費、治療等の主なリスクや副作用等に関しては治療開始前にご説明しますので、まずは当院まで治療の相談を予約して下さい。