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2026.04.17

「抜歯しかない」と言われた方へ|歯周病の再生療法で残せる可能性と、放置しないための精密検査

こんにちは。福岡市中央区天神、西鉄「福岡天神駅」より徒歩6分、福岡市営地下鉄「天神駅」1番出口より徒歩4分にある歯医者「山道歯科 国際矯正・インプラントクリニック」です。

歯周病で歯科医院を受診したとき、

「この歯はもう難しいですね」

「抜歯になる可能性が高いです」

そう言われて、大きなショックを受けた方は少なくないと思います。

歯そのものはまだ残っているように見える。

痛みもそこまで強くない。

それなのに、なぜ抜歯なのか。

できることなら残したい。ほかの方法がないのか知りたい。

そう感じるのは自然なことです。

実際、歯周病は虫歯とは違います。歯そのものが先に壊れる病気ではなく、歯を支えている骨や歯ぐき、歯根膜といった歯周組織が壊れていく病気です。ですから、歯が残って見えていても、土台が失われれば歯は揺れ、噛めなくなり、やがて抜歯が必要になることがあります。日本歯周病学会のガイドラインでも、歯周治療はまず精密検査を行い、炎症のコントロールや原因除去を行ったうえで、必要に応じて外科治療や再生療法を選択する流れが基本とされています。 https://www.perio.jp/publication/upload_file/guideline_perio_2022_en.pdf

その一方で、近年は歯周組織再生療法という選択肢があります。

失われた骨や歯周組織を、適切な条件のもとでできるだけ回復させ、抜歯と判断されかけた歯に別の可能性を与える治療です。実際、重度歯周病で「保存困難」とみなされた歯を対象にした長期研究では、再生療法後の10年生存率が88%だったと報告されています。また、別の長期報告では、再生療法後に支持療法を続けた歯の10年生存率が90.7%と示されています。もちろん、これは「選ばれた適応症例」であり、さらに術後のメインテナンスが継続された条件での数字ですが、再生療法が単なる延命処置ではなく、長期的な保存の選択肢になり得ることを示すデータです。 

ただし、ここで誤解してはいけません。

再生療法は、どんな歯でも救える“魔法の治療”ではありません。

残せるかどうかは、治療の前に、診断でかなり決まります。 


歯周病は「歯を失う病気」であると同時に、「全身に影響しうる慢性炎症」です

Visual representation illustrating connection between periodontal disease and systemic inflammation in human body. medical diagram.

歯周病は、口の中だけの問題だと思われがちです。

しかし現在は、そう単純には考えられていません。

歯周病は慢性的な炎症性疾患であり、糖尿病や心血管疾患などの非感染性疾患と深く関連することが、歯周医学の分野で一貫して示されてきました。欧州歯周病学会などのコンセンサスレポートでも、重度歯周炎は心血管疾患との独立した関連を支持する十分なエビデンスがあると整理されています。さらに糖尿病との関係は一方向ではなく、歯周病と糖尿病は双方向性の関係にあるとされています。 https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32011025/

寿命との関係でも、無視できない数字が出ています。

2024年の前向きコホート研究では、歯周病がある人は、歯周病がない人に比べて全死亡リスクが22%高いと報告されました。さらに、重症度が上がるほどリスクは上昇し、重度歯周病では全死亡リスクがおよそ40%高いと示されています。ここで大切なのは、これは「歯周病があると必ず寿命が縮む」と言っているのではなく、歯周病の有無と死亡リスクに統計学的な関連があるということです。それでも、口の炎症を放置してよいと考えるには、十分に重い数字です。 https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/38802320/



歯周病を放置すると、何が起きるのか

歯並びが悪いままだとどうなるのか考えるイメージ

患者さんにとって一番わかりやすいリスクは、やはり歯を失うことです。

歯周病が進むと、骨が減り、歯が揺れ、噛む力に耐えられなくなります。食べにくさが出て、片側噛みになり、さらに一部の歯に負担が集中し、別の歯まで悪くなる。こうして一本の問題が、口全体の問題に広がっていきます。日本歯周病学会の糖尿病患者向けガイドラインでも、支持療法が短いこと、糖尿病、喫煙が歯の喪失と強く関連しており、歯の喪失リスクとして糖尿病のオッズ比2.73、喫煙のオッズ比4.22が示されています。 https://www.perio.jp/publication/upload_file/guideline_diabetes_2023.pdf

そして歯周病を放置するリスクは、歯の本数だけでは終わりません。

歯を失えば噛めなくなります。噛めなくなると、やわらかいものに偏り、栄養バランスが崩れやすくなります。結果として筋力が落ち、フレイルや全身状態の悪化につながることがあります。さらに歯周病そのものの慢性炎症は、糖尿病や心血管疾患の管理を難しくする要因にもなり得ます。つまり放置のリスクは、歯を失うこと全身の炎症負荷を抱え続けることの二重構造なのです。https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/31605062/ 



生活習慣病との関係で、特に重要なのは糖尿病です

歯周病と生活習慣病の関係の中で、最も臨床的に重要なのが糖尿病です。

まず、糖尿病がある人は、糖尿病がない人に比べて歯周病になりやすく、重症化しやすいことが知られています。近年のレビューでも、糖尿病患者は2〜3倍歯周病リスクが高いとまとめられています。これは高血糖により免疫応答や創傷治癒が変化し、歯周組織が炎症に対して不利な環境になるためです。 
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/31605062/

逆に、歯周病があると血糖管理も不利になります。

2022年のコクランレビューでは、糖尿病患者に対する歯周治療により、6か月時点でHbA1cが0.30%低下したと報告されています。2019年のコンセンサスでも、歯周治療によってHbA1cが0.3〜0.4%程度改善しうると整理されています。HbA1c 0.3%という数字は小さく見えるかもしれませんが、内科領域では無視できない差です。つまり、歯周病の治療は「歯ぐきの腫れを治す」だけではなく、糖尿病管理の一部にもなりうるということです。 https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35420698/

さらに、糖尿病がある成人では、中等度〜重度歯周炎が全死亡リスクや心血管関連死亡リスクの上昇と関連していたという報告もあります。糖尿病のある方にとって、歯周病を放置することは、口の中だけの問題として切り離しにくいのです。 https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/37967814/



心臓や血管との関係も、軽く見ない方がいい

歯周病と心血管疾患の関係については、長年研究されてきました。

現在の整理としては、因果を単純化しすぎるのは避けるべきですが、重度歯周炎と心血管疾患との関連は一貫している、というのが妥当です。欧州のコンセンサスレポートでは、重度歯周炎と心血管疾患の独立した関連を支持する十分な根拠があるとされ、古典的なメタ解析では心血管疾患の将来リスクが19%増加、別のメタ解析では34%高いと報告されています。 https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32011025/


だからこそ、再生療法には意味があります

ここまで読むと、歯周病がかなり怖い病気に感じられるかもしれません。

実際、放置の代償は小さくありません。

その中で再生療法が持つ意味は明確です。

それは、単に「歯を延命する」ことではなく、歯を支える組織を回復させ、歯を機能させ続ける可能性を取り戻すことです。

有名な長期研究では、重度歯周病で“hopeless”と判断されうる歯に対して再生療法を行った結果、10年時点で88%が生存していました。さらに5年時点のランダム化比較試験でも、再生療法は“保存困難”と判断された歯の予後を変えうると報告されています。また、長期支持療法を継続した報告では、10年生存率90.7%、さらに別研究では26年後でも半数超の重症歯が残存していたとされています。これらは「誰でも同じ結果が出る」という意味ではありませんが、条件がそろえば、自分の歯をかなり長く使い続けられる可能性があることを示しています。 

ただし、再生療法は「適応」がすべてです

ここはとても大切です。

再生療法は、やれば必ず成功する治療ではありません。

成績を左右するのは、まず骨欠損の形です。

骨が三方から囲まれているような欠損は再生しやすく、水平的に広く失われた骨は難しくなります。日本歯周病学会のガイドラインでも、GTR法などの主な適応は2壁性・3壁性の垂直性骨欠損や一部の根分岐部病変とされており、すべての欠損に同じように勧められるわけではありません。 

次に大事なのは、炎症がきちんとコントロールされているかです。

歯周病の再生療法は、いきなり受ける治療ではありません。まず歯周基本治療を行い、プラークコントロールを整え、再評価したうえで外科治療や再生療法の適応を判断するのが基本です。炎症が強く残った状態で高度な治療だけを急いでも、長期安定は得にくいのです。 

さらに、噛み合わせも重要です。

歯周病は細菌の病気であると同時に、力の病気でもあります。咬合性外傷や局所的な過重負担が強いと、せっかく再生した組織が安定しにくくなります。ガイドラインでも咬合への配慮は歯周治療の一部として扱われています。 


当院が「総合的な診断」にこだわる理由

歯周病の再生療法で本当に難しいのは、手術そのものだけではありません。

その歯を、口全体の中でどう残すかを判断することです。

たとえば、骨の欠損だけ見れば再生療法の適応がありそうでも、歯並びが悪くて清掃性が悪い、あるいは噛み合わせの偏りで一部の歯に力が集中している場合、手術だけでは長期安定しないことがあります。逆に、矯正的なアプローチで力の配分を変えたり、欠損補綴やインプラントまで含めて全体設計を見直すことで、歯を残す現実性が高まることもあります。日本歯周病学会のガイドラインにも、矯正やインプラント、支持療法を含めた包括的な視点が記載されています。 

そのため当院では、歯周病専門医、デジタル矯正学会認定医、国際インプラント指導医が在籍しており、歯周組織だけを見るのではなく、歯周・矯正・インプラントの3つの視点から総合的に診断しています。

「この歯は残せるか」だけでなく、「残したあと長く機能するか」
「歯並びや噛み合わせまで含めて安定するか」
「抜歯が必要な場合でも、次の治療が最も合理的か」

そこまで見て判断することを大切にしています。
歯周病の再生療法は、総合的に考えた方が失敗が少ない治療だからです。

まとめ

まとめ|まずは「残せるかどうか」を、感覚ではなく根拠で判断することから

歯周病の再生療法は、適応の見極めが最も重要です。

骨の欠損形態、歯の動揺、炎症の程度、噛み合わせ、歯並び、清掃性、全身状態。これらを総合的に見ないと、本当に残せる歯かどうかは判断できません。 

当院では、日本歯周病学会専門医、デジタル矯正学会認定医、国際インプラント指導医が連携し、歯周・矯正・インプラントの視点から総合的に診断しています。

「残せるのか」だけでなく、

「残したあと長く安定するのか」

「ほかの歯まで守れるのか」

まで含めて丁寧にご説明します。

抜歯と言われた歯でも、まだ可能性が残っていることがあります。

逆に、無理に残さない方がよいケースもあります。

大切なのは、治療を急ぐことではなく、まず現在地を正確に知ることです。

オーラルフレイルの検査を検討されている方は、福岡市中央区天神、西鉄「福岡天神駅」より徒歩6分、福岡市営地下鉄「天神駅」1番出口より徒歩4分にある天神で120年地域医療に携わってきた歯医者「山道歯科 国際矯正・インプラントクリニック」にお気軽にご相談ください。

当院は、「お口本来の機能を回復させ、より美しくより長持ちさせる」ことをコンセプトに診療にあたっています。一般歯科だけでなく、インプラント治療や矯正治療、歯周組織再生療法などにも力を入れております。

当院のホームページはこちらWEB予約も受け付けておりますので、ぜひご活用ください。

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Tel: 0120-468-296

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